世界三大漁場の一つとして名高い金華山漁場を控え、近海・遠洋漁業の基地として発展した港町、塩竈。
大正初期から水産加工業が盛んになり、キンキ、キス、ヒラメなど極めて良質な原料を使い、おいしい練り製品がつくられるようになりました。
すり身を笹の葉の形に焼き上げた宮城県を代表するお土産の一つ、笹蒲鉾は、全国にファンを持つほどの人気です。
宮城県練り製品生産量日本一:出典元(2006年4月7日現在):『農林水産省統計情報部「水産物流通統計年報」』
●練り製品の歴史
練り製品は東南アジアや中国の沿岸部など古くから製造されてきましたが、明確な歴史は不明とされています。日本では1115年に宮中で出された蒲鉾が文献上最初のものとされていますが、つみれ類はそれよりも前に存在していた可能性が高いと言われています。
現在では健康に良い食べ物として人気ですが、実は欧米での消費量も多く、英語では「Surimi」と呼ばれています。
●練り製品の原料
◆魚
魚の練り製品は一般的ですね。一般に白身魚を使用されますが、白身でもほとんど淡水魚は固まりにくいので用いられません。
1960年代に冷凍すり身が発明され、一般的な製法は、スケトウダラの骨や皮を除去して磨砕し、冷凍防止剤として数%の糖類を添加した後に冷凍します。
また、東南アジアに淡水魚が使用されることもあり、タイ、サメ、ワラヅカ、シログチなどが使用されます。
◆食塩
ハンバーグやソーセージと同様に、魚肉は食塩を加えてすりつぶしねることで塩溶性タンパク質が溶け出しアクトミオシンを形成します。このアクトミオシンの網目で魚肉練り製品はゲルとなって、魚肉製品特有の弾力、プリプリとした食感、歯応えが生み出されます。